明治の元祖「ゆるキャラ」仙台四郎
仙台には、現世の御利益をもたらす「仙台四郎」という変わった神様がいる。坊主頭ででっぷりと太っていて、どてらに縞の半天姿で、両手を組んで座っている。その顔はニコリと笑っている。
彼の名は、通称「櫓下四郎(やぐらのしたしろう)」と言う。四郎は江戸末期から明治35年頃まで実在した人物で、生家は仙台市一番丁の鉄砲職人の子であった。生来の白痴であったが、四郎が立ち寄る店は必ず繁昌するといわれ花柳界では大もてだった。反対にいくら手まねで呼んでも見向きもしない店は遠からず倒産したり左前になった。こうして四郎は商売繁盛、家内安全、学業成就、無病息災の開運招福の神となった。
生前一枚だけ撮った写真を明治の終わりか大正の初め頃に、地元の写真館が「福の神」として販売した。そのとき四郎は、土地の名を冠し、「仙台四郎」と命名された。
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