マホメット山へ行く
英語のことわざ。卑しいものが貴いものに従わねばならないという意味。
If the mountain will not come to Mahomet,Mahomet must go to the mountain.
あるときマホメットが山に向かい、自分のところに来るように命じた。しかし、山は動こうとしない。そこでマホメットは、みずから山の方へ歩いていったという。すなわち、山の偉大さにくらべて、マホメットという人物は卑小なものである。だから、山を自分のそばに呼びたいと思うならば、自分みずからが山の方へ歩いて行かなければならないという意味である。この話は、19世紀のイギリスの作家フロレンス・マヤリットの「開け胡麻」にみえるもので、「コーラン」やマホメットの史料には見えない。
「マホメット山へ行く」は反イスラムが、もし彼が真の預言者であるならば、キリストが行なったような奇跡をおこすように要求したとき、マホメットは「自分の奇跡はコーランそのものである」といって、奇跡を行うことをかたく拒絶したという。この話はマヤリットが作り出した話ではなく、それ以前からこのような話が、ヨーロッパのキリスト教徒の間では広く伝えられていたようである。また、これから派世したもので、「山を動かす」という言葉もあり、これと同じような意味で使われる。古くは1625年のフランシスコ・ベーコンの随筆に似た表現が見られる。
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