「豊かさ」への夜明け
1986年12月、ベトナムの改革派のグエン・バン・リン首相が社会主義型市場経済を目指すドイモイ政策をひとつのスローガンとした改革路線に転じた。ドイモイ(doi moi)とはベトナム語で「刷新」を意味する。改革当初、成長拠点都市は、北部のハノイ、中部のダナン、南部のホーチミンであった。この時期の問題は南部と北部の所得格差であった。90年代の初めにはインフレが落ち着き国際収支が均衡するマクロ経済の安定化を達成した。外国資本の流入も順調となり、92年以降は96年まで8%を超える高度経済成長を記録した。しかし、この過程で都市と農村の所得格差が問題となり、96年の共産党大会で社会政策を重視することになった。1997年5月、タイビン省で農民3000人が汚職と増税に抗議して、タイビン市までデモ行進をするという事件がおこった。このニャンザン事件は、村や地方自治体の運営が民主化されていないころに根本的な原因があった。
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