ガレオン船
ガレオン(Galleon)船は、主にスペインが軍艦またはアメリカ貿易に用いた大型帆船のことで、16世紀から18世紀にかけて大西洋、太平洋などで活躍した。キャラック(Carrack)から発展した船形であるが、形はさまざまで、3本以上のマスト、数門の大砲を備え、船首船尾の位置が高く、キャラックに比べ吃水が浅いためより速力が出る。東京デズニーシーに停泊中のルネサンス号は全長30メートルの大型ガレオン船である。
ガレオン貿易はおもにスペインのそれをさすが、アメリカ大陸の領地とセビリアおよびカジス港を結んで、15から70,80隻からなる船団が貿易風を利用して往来、植民地の金銀や物産を運んだ。またメキシコとフィリピン間においては、アカプルコより銀を出荷し、マニラに集結した中国の絹・陶磁器などと交換、船団の規模は小さいが大型のガレオン船が用いられた。この太平洋のガリオン貿易はフィリピンの経済的生命線として、1749年まで続けられた。
ポルトガルのガレオン船は、ゴア、オルムズ、マラッカ、マカオを中心に香料諸島の物産を中継。17世紀にはいるとオランダの東インド進出によってポルトガル勢力は後退し、また英・仏などの軽帆船の出現はガレオン船そのものを次第に時代遅れにしていった。
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