古代の封泥
封泥(ふうでい)とは官印などを封印に捺した粘土塊のこと。古代中国において、貴重な物品あるいは公私の文書を縄などで縛り、その一部に粘土をつけてこれに印を捺し、その内容を人に見せないように封じたものである。漢代の官名や地名を読み取ることができ金石学の研究者たちが古くから調べている。封泥は中国だけでなく西アジアでも古くから使われている。2009年にはオーストリアの研究チームがエジプト北部のテル・エル・ダバ遺跡でバビロニア王国のハンムラビ王に仕えた高官の印影が残る封泥を発見した(画像)。ブラと呼ばれる封泥の中には、聖書中の人名が読み取れるものもある。「ユダの王ヨタムの子アハズのもの」とか「ユダの王アハズの子ヒゼキアのもの」と記されている。またエレミア書で言及されている、「バルク」「ゲマルヤ」「エラフメエル」「ユカル」「セラヤ」の名が見える。
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