約束の寒の土筆を煮て下さい
病状が思わしくなく、なんとなく食欲がない。自分はいったい何が食べたいのだろうと自問したとき、以前約束しておいた「つくし」を思い出した。まだ冬で思うように手が入らないかもしれない。しかし、そんなことはどうてでもいい。とにかく「約束の寒のつくしを煮てください」
川端茅舎は若くして胸部疾患となる。10年以上も床に就く生活ののち、昭和16年、42歳で没した。茅舎の12歳上に異母兄の川端龍子がいる。父信吉は、和歌山の呉服商だったが、没落し、家族は上京する。寿山堂と号するほど芸術的趣味があり、兄弟の才能も父の影響が大きいものと思われる。
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