亀井勝一郎忌
評論家・亀井勝一郎、1966年の忌日。「大和古寺風物誌」で知られる亀井勝一郎(1907-1966)は山形高等学校時代に第二外国語でドイツ語を学んだ。亀井の処女作とでもいうべき「人間教育」(野田書店)は一種のゲーテ論であると本人自ら語っている。昭和12年にはじめて大和の古寺を訪れたのもゲーテの「イタリア紀行」の影響によるものである。ゲーテのイタリア紀行やローマ哀歌にみちびかれて、亀井は日本のローマともいうべき大和を発見したのであろう。亀井は戦中、戦後、日本人の精神史研究に向かった。「古代知識階級の形成」「王朝の求道と色好み」「中世の生死と宗教観」「室町芸術と民衆の心」全8冊の予定であったが、4冊まで終ったところで、59歳でガンで斃れたために結局中絶の著作となった。
« 滝司郎と滝城太郎 | トップページ | レベッカ・ローミン »
「今日は何の日」カテゴリの記事
- サルタナ沈没事故(2023.04.27)
- 「五箇条の御誓文」宣布(1868年)(2023.03.14)
- 造幣局の設置(2023.02.05)
- 相馬大作事件(2022.08.28)
- 松川事件(2022.08.17)
投稿: 根保孝栄・石塚邦男 | 2013年11月13日 (水) 22時52分