洋服記念日
1872年のこの日、「礼服ニハ洋服ヲ採用ス」という太政官布告が出された。映画「ハンサム・スーツ」では、世の中、ハンサムとブサイクに分けられるという。男性の背広とネクタイ姿は女性のあこがれである。誰しもあんなハンサム・スーツがあれば着てみたいと思うだろう。映画は「洋服の青山」がスポンサーだったようで、ハンサム・スーツの売れ行きも好調だろう。「刑事コロンボ」のよれよれコートのピーター・フォークもカッコいいけど、やはり颯爽としたスーツの着こなしは男がみても気持ちがいい。
でも最近のスターはジョニー・ディップにしても、ブラッド・ピットにしてもスツー姿はあまり見ない。スーツの似合うスターといえば、グレゴリー・ペックだろう。ペックは第二次大戦直後のハリウッドが人材払底のとき、トール、ノーブル、ハンサムと三拍子揃った正統派二枚目として登場した。「王国の鍵」「愛の決断」「白い恐怖」「子鹿物語」「白昼の決闘」と次々ヒット。ちょうど「ローマの休日」の撮影のころ、フランス人記者だったヴェロニク・パッサーニと再婚した話はよく知られている。トニー、セシリア、ヴェニクとの家族写真は多く公開されている。ペックは2度の結婚で5人の子がいる。ペックは23歳ころ、ニューヨークの劇団員時代にキャサリン・コーネル一座の化粧係をしていたグレタ・クッコネンという金髪の女性と結婚し、ジョナサンという男児が生まれた。世間的には幸せな家庭生活に見えたが、ペックも売れっ子時代であまり家庭をかえりみる余裕はなかったのだろう。ジョナサン君がどんな環境で成長したのかは分からない。1975年6月26日早朝、サンタバーバラのアパートの自室で謎の拳銃自殺を遂げている。まだ30歳という若さだった。ペックがその後、家庭や家族をとても大切にしたスターであったことは苦い経験からくるものかもしれない。「恋のからさわぎ」で売り出し中のイーサン・ペックはスティーヴン(写真の赤ちゃん)の子である。
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