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2013年10月 9日 (水)

時代劇の題名は画数の多い漢字で

Ogawano00     東山紀之主演「小川の辺」を観る。藤沢周平の短編が原作。「たそがれ清兵衛」(2002)以来毎年1本ペースず藤沢作品が映画化されるが時代劇全盛の作品に比べると迫力とスケールが劣る。役者の体格ははるかに向上しているのに不思議である。多くは一武士の理不尽さがテーマであるが、それだけて終わっていることが多い。「小川の辺」でも西岡徳馬の其の後のことは全く描かれていない。原作が短編なので2時間の映画にするには脚本の力が必要だが、むしろ田園の風景とかで時間をかせいでいるような気がする。山形などのロケ地での地域おこしなのだろうが、作品の緊迫感がかけてしまう。キャストも地味である。「東海水滸伝」(1945)という映画がある。出演は阪東妻三郎、片岡千恵蔵、市川右太衛門である。むかしの時代劇のタイトルは漢字でまとめている。「小川の辺」は森一生「次郎長富士」(1959)や内田吐夢「大菩薩峠」(1957)、稲垣浩「柳生武芸帳」(1957)などに比べ、タイトルからしてすでに負けている。

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