背中で泣いてる唐獅子牡丹
ぼくはブラウン博士の開発した愛車デロリアンに乗って、次元転位装置で1970年の日本へタイムスリップした。そこはオールナイト興行の場末の映画館。東映任侠映画を見終わった若者たちが高倉健、鶴田浩二、菅原文太、藤純子らの魅力にしびれていた。わたしは学生たちに話かけた。「2013年の未来から来ました」「43年後の日本はどうなってるの?」「大きな地震と原発事故がありました。2020年には東京五輪があります。そうそう高倉健が文化勲章をもらいます」「じゃあ、総理大臣は石原裕次郎!?」「いいえ、岸信介の孫の安倍晋三です」それを聞くと安保闘争に敗れた若者は肩を落として寂しげに去っていった。当時、共産主義革命と任侠、アウトロー、そして右翼団体という奇妙な捩れ関係があった。あれからあの若者は髪を切って就職していく。会社には就職できなかったが、好景気のため中途採用でなんとか地方の役所に辛うじてもぐりこめた。健さんは斜陽の映画界にあっても孤軍奮闘ひとり映画スターであり続けた。今回の受賞をもっとも喜んでいるのは江利チエミかもしれない。安保挫折派の親分に勲章を与えることで、団塊世代を取り込むねらいがある。右を向いても左を向いても転向ばかりで、いまの世の中、真っ暗闇じゃござんせんか。
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