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2013年8月23日 (金)

エドワード・ホッパー「夜のオフィス」

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「夜のオフィス」 ミネアポリス ウォーカー・アート・センター蔵

  エドワード・ホッパー(1882-1967)は、ニューヨーク市の近郊、ハドソン川沿いのナイアックで生れた。ホッパーのきわめて独創的な作品は、アメリカの現代生活の不安な精神を伝えているが、特に都会という環境におかれた人間の寂しさと孤独感が強調されている。

   ニューヨークで、アシュカン派(ごみ箱派)の創設者のロバート・ヘンリに絵を学んだ。美術学校を卒業すると彼は商業美術の道に進み、42歳でようやくこの職をなげうって専業画家となった。1920年代にきわめて独特な画風を見出し、以降それはほとんど変わることがなかった。抽象画の全盛期に身をおきながらも、彼は具象絵画の伝統にかかわりつづけた。画家としての出発は遅かったが、アメリカはすぐさま彼に数々の栄誉を与えた。しかし、ホッパーはひっそりとして暮らしを守りつづけ、同じく画家であった妻ジョー・ヴァースティル・ニヴィソンとともに生涯を絵画にささげた。

  「夜の会社」(1940年)というこの作品には、ホッパーの特徴がよくあらわれている。2人の人物のあいだには意思疎通はない。女性は、上司からの何かの合図をじっと待つようでいながら、同時に自分だけの世界に浸っているようでもある。人物相互のコミュニケーションはほとんど感じられない。それどころか、彼らは家具や建物によって互いに隔てられ、彼らをいっしょに結びつける明確な話の筋は、1つとしてないのだ。ホッパーは自分の作品に物語性をもち込むのを故意に避けているようにも思える。ある意味でホッパーの作品では人物よりも、人物と人物との空間が重要な意味をもっている。それが何か正確にはいえないが、どこかおかしいと感じさせるものがある。現代生活の味気なさを表わしているいるのかもしれないが、それが作品の魅力となっている。

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