あげ女、さげ女
この世は2つのものでできている。それは「運気を上げるものと、下げるもの」。「さげまん」の典型がクレオパトラ。シーザーはともかく、アントニウスはクレオパトラと親密な関係になるや、家庭崩壊し、破滅した。俗に「あげまん」というのは、一緒になると不思議に相手の男にも運が向いてくる。たとえば国際派俳優・渡辺謙は難病や家庭問題などでスランプの時期があった。人生が開運したのは南果歩と出会ってからである。南果歩は日本の代表的あげまんである。
「タクシードライバー」(1976)は病んだ大都市ニューヨークの暗部を孤独な青年を通して描いた傑作。この映画には主人公のトラヴィスに関わる2人の女性が出演している。大統領候補の事務所で働く美人のベツィと12歳の娼婦アイリス。物語後半でトラヴィスはアイリスを街から救するため怒りと狂気を発散させる。また現実にこの映画を観たジョン・ヒンクリーがレーガン大統領を暗殺未遂したことからジョディ・フォスターの知名度が世界的に高まった。他方シビル・シェパードは映画の中ではトラヴィスの憧れの女性をさわやかに演じた。監督のスコセッシが「ベツィ役にはシェパードのような女優を」という希望に応じての出演だった。主演のロバート・デ・ニーロもまだ駆け出しの俳優だったし、ジョディ・フォスターもまだ13歳。このあとシビルはTV出演が多くなり、「こちらブルームーン探偵社で」がヒットする。ここでも共演者ブルース・ウィリスがこの作品でスターになった。シビル・シェパードは「あげまん女優」である。(Taxi Driver,Cybill Shepherd)
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