ラマン効果
ラマン効果は物質に光を入射したとき、散乱された光の中に入射された光の波長と異なる波長の光が含まれる現象。1928年インドの物理学者チャドラセカール・ラマン(1888-1970)とK・S・クリシュナンが発見した。蛍光・リン光と違う点は、励起光よりも波長の長い光だけでなく、短い波長のものも再放射されてくることである。ラマン効果のおこる原因は分子振動にあるので、赤外線吸収スペクトルと同様に分子構造に関して大きな寄与をする。赤外線と違い可視光線によるものであって、分光器に特殊な構造を必要としないことや、試料は気体・液体・固体のいずれかでもよく、赤外線吸収では全く利用できない水溶液の測定ができることなどは、大きな長所である。しかし、試料がかなり多量に必要なことや、着色物質についての測定が困難であるなどの欠点がある。現在は、単色性がきわめてよく、強度の大きいレーザー光とモノクロメーターの開発によってラマン散乱光の高精度の分光測定が可能となり、分子構造の決定や物質の同定に大きく貢献している。
« マッチ・ポンプ | トップページ | リセ・マイトナー »
「自然・科学」カテゴリの記事
- ラジオ放送のはじまり(1906年)(2025.12.24)
- ハルジオンが咲く頃(2025.12.18)
- フクロウの擬態(2025.11.23)
- トドとオットセイ(2025.11.22)
- 安山岩(2025.10.13)


コメント