デジタル・アナログ二刀流
大谷翔平の名前の由来は源義経だそうだ。牛若丸のように翔んで、平泉から「翔平」と名付けられた。打者と投手という二刀流も話題になっている。あっぱれな若武者が現れたものである。
ところで学問の世界で二刀流といえば、従来型の蔵書に埋もれた書斎派タイプか、海外にフィールドを持つインターネット型タイプであろう。たとえば松本清張や司馬遼太郎は巨星であったが、膨大な蔵書を読了したとはいえ、インターネットで情報を得るという時代を知らなかった。現代の作家はかっての文豪のような蔵書をもたずとも、情報を入手する技術は優っているかもしれない。しかし、根がはっていないようで底の浅さを感じる。わたしは図書館で目録カードを長年作成するという仕事をしていた。いまは図書のデーターベース化が完了して、もはや自前で目録を作成する図書館員などはいないかもしれない。だが書誌を作成するという体験は実に貴重であったと思う。デジタル化するには原資料が存在しなければならない。世代的にアナログとデジタルとの狭間に生きたことに感謝し、我は二刀流という秘術を会得した。
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