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2013年5月14日 (火)

風が吹いている

2991674368_8c85f82b32   アリダ・ヴァリの「夏の嵐」。ベネチア貴婦人の官能的な作品。恋人がいう。「こういう所ではいつも音がする。シーツのすりきれる音、窓に虫のぶつかる音、抱き合っている時、こんな音がしていたと後になって気づく。・・・・細かいことが残る」と。人生、通り過ぎたとき、甦ってくるのは出来事ではなく、あの日あの時の風のそよぎであり、花の香りである。谷川の水のように清く、夕霧のようにほのかに、散る花のように侘びしさを湛えたクリスティーナ・ロセッティ(1830-1894)の詩。

わたしが死んでしまっても

やさしい君よ

わたしのためにかなしい歌をうたわないでください

わたしのうえに ばらの花も

かげふかい いとすぎの木も 植えないでください

ただそこには つゆにぬれる

みどりのわか草をしいてください

そしてあなたが思いだすなら思いだして

わすれるならわすれてください

わたしはかげも見ないでしょう

雨も感じないでしょう

くるしげにないている

夜鶯の声もきかないでしょう

そして朝も夜もないうす明かりの中で

わたしは永久にうつらうつらと

思いだしたりわすれたり

しているでしょう

          (三井ふたばこ訳)

  「私のお墓の前に立って嘆き悲しまないでください。私はそこにはいません。眠ってなんかいません。私は千の風になって吹き抜けています」数年前に大ブームになった「千の風になって」のモチーフの原型のような気がします。ロセッティの有名な作品に「風」(西條八十作詞)もあります。

誰が風を見たでしょう

僕もあなたも見やしない

けれど木の葉を ふるわせて

風は通りぬけていく

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コメント

千の風もよいですが、
ざわわざわわざわわ…♪
さとうきび畑の声も忘れたくないですね。

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