小さな古書店
神戸の六甲道にあった宇仁菅(うにすが)書店は創業90年という老舗古書店でウィキペディアにあるほど有名である。だが2代目店主宇仁菅民生さんが亡くなられて2012年3月末で閉店した。店にはいつもバッハが流れて洋書もある棚揃えにこだわりのある書店だった。宇仁菅書店に限らず、東神戸や阪神間の古書店も次々と消えていった。もう足も弱くなって昔ほど本の買出しもできなくなってしまったが、古本屋が次々と消えていくのは無性に淋しい。
こんな話を思い出した。ヴィクトル・ユゴーの「ああ無情」にも出てくるブーラール(Boulard)という法制院会員は愛書家で、毎日1mの杖を持って歩き、この高さまで本を買わなければ気がすまなかった。あまりにたくさん買うので奥さんが一度止めたところ神経衰弱になってしまい、それから周りもあきらめたようである。ある日も例の如くたくさんの書物を買い込み、馬車も断わられて乗せてくれないので、大汗をかき帰宅をしたのが原因で死んでしまった。競売された本は50万冊から60万冊はあったといわれる。
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(。>0<。)古書店また閉店ですか。
寂しいですね。
投稿: 根保孝栄・石塚邦男赤魔って | 2013年5月13日 (月) 23時35分