犬に論語
ことわざは江戸時代に広まったものが多い。「犬も歩けば棒に当たる」出しゃばるとかえって災いにあう、というマイナス思考と考える人と、進んで何かにチャレンジすれば、思いがけない幸運に出会うというプラス思考にとる人がいる。ケペルは「犬も歩けば棒に当たる」とは積極的に行動して、幸運を追求することを言っているものだと考えていた。ところが「犬に論語」という諺があるのを知り、どうも江戸時代の人が犬をたとえにするのは悪い意味がありそうだと気づいた。「犬」は無知な者という意味を含んでいて、「無知な者に立派なことを言ってもわからない」ということから「犬に論語」が成り立つ。「犬も歩けば棒に当たる」は犬のようなものでも行動すればチャンスにめぐりあえる、解するのは近代的な解釈である、おそらく、行動を慎むような戒め的なことわざであったのではないだろうか。
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