古代ローマの賃貸集合住宅
ローマ人の造形的才能は建築、土木において最もよく発揮された。巨大な宮殿や公共施設、競技場はよく知られているが、個人住宅も発達した。ヴィラ(villa)は現在でも使用される言葉だが、もともとはローマの貴族たちの別荘の意味である。上流階級および中流階級の自由民が住んだ住宅をドムス(domus)といった。だがローマは都市化により、土地が高騰し、一戸建ての住宅は上流階級しか住めなくなった。そのため市内に住む中・下流階級たちはインスラ(insila)という多層型共同住宅、いわば今日のアパートような集合住宅に住んでいた。インスラは6階から7階建てがふつうで、40人以上が住んでおり、1階を店舗にして、中2階を設け、その上にアパートを載せていた。初期には木造であったが、前1世紀から、安全性と防災上の理由から法令によって制限され、皇帝アウグストゥスは倒壊の危険性があるとして、高さを20.7m(最終的には18m)以下と制限された。紀元200年代後半には5万棟のインスラがあったという。
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ローマ人は文化生活を満喫していた・・ということで・・驚きです。二千年前ですからね。
投稿: 根保孝栄・石塚邦男 | 2013年4月 6日 (土) 16時27分