三匝堂(さんぞうどう)
白虎隊の墓所がある会津若松の飯盛山の中腹にある栄螺堂(さざえどう)は、正式には円通三匝堂と呼ばれ、二重螺旋構造の参拝路を持つ仏堂として知られている。つまり参拝者は、一度も同じところを通らずに元の入口に出ることができる。これは仏教の礼拝では右繞三匝(うぎょうさんぞう)、右周りに3回めぐることで仏陀への礼拝が成立するという考えに基づいている。ヒトのDNAの二重螺旋構造を発見する2000年以上も前から古代インドの仏教徒は生命の根源を知っていたのである。
ところで「匝(そう)」という字はふだん見慣れない漢字だ。「匝線」(渦巻き状の曲線)、「匝旬」(10日間)という熟語くらいか。千葉県に匝瑳市(そうさし)があるが難読地名として知られている。
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