忘れられた大スター、岡譲二
先日、江利チエミの「猛獣使いの少女」(1952)を観ていたら、岡譲二(1902-1970)がチエミの父親役で出演していた。日本人離れした風貌で、サイレント時代、江川宇礼雄、竹内良一、岡田時彦らと並ぶ二枚目。岡だけは色白の二枚目ではなく、精悍で男性的なキャラクターでギャングから時代劇まで何でも似合った。3度も軍隊へ応召し、「猛獣使いの少女」のころは往年の美貌はなく、太った体で中風で指が使えないバイオリン弾きを演じている。戦前の代表作をあげる。「また逢ふ日まで」「歓喜の一夜」「上陸第一歩」「非常線の女」「多情仏心」「婦系図」「日像月像」「緑の地平線」など。戦後は大映、新東宝、東映と脇役で渡り歩き、「五泊六日」(1966)を最後に引退している。引退後は画廊の支配人をつとめていたが、1970年12月17日、東京の病院で心臓病で死去。ひっそりと亡くなったため死亡記事もなかった。
« 夏目漱石がロンドンで見た芝居 | トップページ | 史上最大のバーゲン »
「映画・テレビ」カテゴリの記事
- 秋の新ドラマは豊作 橋本環奈、清原果耶、堀田真由、久間田琳加、堀田真由、井桁弘恵、永瀬莉子(2024.10.15)
- 焼いてるふたり(2024.07.13)
- 夏の新ドラマ(2024.08.01)
- 藤原道兼、死去(2024.05.05)
- 私の秘密(2024.04.14)
コメント