貞享三年の芭蕉
「古池や蛙飛び込む水の音」芭蕉が蕉風俳諧を確立した句とされており、初出は1686年、貞享3年のことである。貞享という元号は5年まであり、2年後の1688年に元禄に変わる。有名な赤穂藩主浅野長矩が吉良義央に殿中で刃傷事件が起きたのは元禄14年のことであり、忠臣蔵に登場する人物は松尾芭蕉と同時代人である。だが芭蕉本人は元禄7年にあの世へ旅立つているので赤穂事件のことは何も知らない。大高源吾が俳諧の嗜みが深かったことが知られており、芭蕉の古池やの句はもちろん知っていたであろう。1686年に生きていた歴史上の主な人物は以下の通り。
松尾芭蕉 1644-1694
吉良義央 1641-1702
大石良雄 1654-1703
徳川綱吉 1646-1709
徳川光圀 1628-1722
井原西鶴 1642-1693
近松門左衛門 1653-1724
菱川師宣 1618-1694
河村瑞賢 1617-1699
康熙帝 1654-1722
ルイ14世 1638-17715
ジェームズ2世 1633-1701
ピョートル1世 1672-1725
ニュートン 1643-1727
ロバート・フック 1635-1703
バニヤン 1628-1688
17世紀のオランダの画家フェルメール(1632-1675)も芭蕉とほぼ同時代人であるが43歳で早世し、貞享3年にはこの世の人ではない。ニュートンが万有引力の法則を発表したのが「プリンキピア」(1687年刊行)なので、「古池や」の句の翌年にあたるのも面白い。
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