バイソン絶滅
かつて北アメリカの草原地帯には控えめに見積もっても6000万頭くらいのバイソンがいた。初期はネイティブ・アメリカンが、食用や毛皮用に、石や長槍や弓などの原始的な武器だけでバイソン狩りをしていた。17世紀の終わりごろ、彼らは馬を慣らして、バイソンを追いまわすようになると、彼らが殺すバイソンの数も増えてきた。さらに西部開拓時代になると白人による猟銃を使った狩猟がさかんに行われるようになると、数千万頭の生息数は激減した。政府はネイティブアメリカン問題解決の方策はバイソンを殺して彼らの糧道を絶つことが最良と考えた。レジャーのためバイソン狩りの特別列車が仕立てられることもあった。鉄道の多くはバイソンの住む地方を走っていたので、旅客は車窓からバイソンを撃つという手軽なスポーツを楽しんだ。画像はカンサス・パシフィック鉄道の狩猟特別列車。この結果、バイソンは19世紀末には1000頭未満にまで減少した。1921年にはついに野生のバイソンは絶滅し、動物園で飼育されているのを残すのみとなった。しかし国際的な保護活動の結果、増殖に成功し、現在では野生復帰の試みもなされている。(Bison,Kansas Pacific Railway)
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