40年周期のギャング映画ブーム
麻生太郎副総理のギャングハットを目深にかぶったファッションが海外でも注目されている。イタリアの高級帽子ブランド「ボルサリーノ」。米紙ウォールストリート・ジャーナルは「マフィアのボス会議に行くの?」と見出しをつけて大きく扱っている。ファッション批評家は「祖父の影響でキチンとしたものを着たいというのは伝わりますが、時代に合っていない。相手は気負ってきたなと苦笑でしょう」と冷たい。しかし日本の政治家がファッションでこれほど大きく取り扱われたことはなく、時代遅れと笑うが、ギャングスタイルの流行は40年周期で起きている。
1920年にアメリカでは禁酒法が発令されたが、ギャング(無法者)たちはこれをやぶって密造酒を販売し、アル・カポネ(1899-1947)がシカゴで巨大な犯罪組織(シンジケート)を組織して、犯罪の近代化?を行った。映画も格好の素材となり、ワーナー・ブラザーズがギャグ映画を量産する。30年代から40年代、エドワード・G・ロビンソン、ジェームズ・ギャグニー、ジョージ・ラフト、ハンフリー・ボガードたちがスターとなった。しかし犯罪者をヒーローとして描くハリウッドのやり方に批判もあり、戦後は衰退した。40年後の1972年、マーロン・ブランドーの「ゴッドファーザー」が大ヒットし、PartⅠⅡⅢと続編がつくられ、アル・パチーノやロバート・デ・ニーロが現れた。近年、ショーン・ペンの「ギャングスター・スクワッド」、ジョニー・デップの「ブラック・マス」。そしてロバート・デ・ニーロとアル・パチーノ共演のギャング映画など第三次ギャング映画ブームだ。
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