カントの言葉
本日のNHK連続クイズ「ホールド・オン167」で「笑いは緊張の緩和から来る、という言葉を残した18世紀ドイツの哲学者は?」という問題があった。答えはカントらしい。有名な言葉だそうだが、実際にカント全集で確認していない。カントは生涯のほとんど故郷ケーニヒスベルク(現カリーニングラード)という小さな町で暮らしていた。そして毎日の午後同じ時刻に散歩をする習慣があったが、その時刻は1分と違わなかった。それで街の人々は、彼の通る姿を見て、めいめいの時計を合わせるのが日課であった。ただ一度だけ、こんなことがあった。カントがルソーの「エミール」を読んでいて時間を忘れたために、何人ものケーニヒスベルクの住人が約束の時間に遅れた、というもっともらしい逸話がある。カントが旅行を嫌ったのは、生まれつき病弱だったせいだろう。身長152cmと小柄で、しかも猫背ぎみだった。それで79歳まで生きたのは規則正しい生活のおかげもあったろう。
デカルト「我思う、ゆえに我あり」、パスカル「人間は考える葦である」、ルソー「人間は二度生れる」、17・18世紀の思想家にはそれぞれ名言がある。そこでカントの名言を紹介する。
「啓蒙とは、人間がみずから招いた未成年の状態から抜け出ることだ。未成年の状態とは、他人の助けを借りなければ自分の理性を使えない状態をいう」
この一文は1784年の「ベルリン月報」に掲載された「啓蒙とは何か」にある。(参考;ヘルゲ・ヘッセ「その一言が歴史を変えた」) Immanuel Kant
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