ベテラン歌手も緊張している
「泣いちゃいけない涙をおふき 泣けば見えない俺の目が 花も嵐もふたりの旅路♪」そこまで歌ったところで、山本譲二は頭の中がなぜか真っ白になった。「過去をわすれて出直そう」という歌詞だったが、「過去」が出てこず、「ムームームー」とハミングで誤魔化した。その後、なんとか歌いきったが、申し訳ないような、テレたような笑顔で礼をしていた。なぜベテランの譲二が歌詞を忘れたのか。今日、放送されたNHK歌謡コンサートの出来事だった。おそらく出番前のトークタイムに原因がある。ゲストがピーター(池畑真之介)だった。山本が歌手をめざして上京したが、まだデビューできず、スナックでアルバイトをしていた。たまたまピーターを店内でみかけた。山本はそのときのスターのオーラを鮮明に覚えていた。もちろんピーターは譲二のことは全然覚えていない。たぶんその興奮で歌詞を度忘れしたのだろう。生放送の歌番組。どんなベテラン歌手でも相当な緊張がある。番組の趣向として歌手たちのプライベート・トークが増えているが、歌う前の饒舌は歌手に相当な負担である。歌手がリラックスして歌えるには司会者の仕切り上手がポイントである。
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