大航海時代と香辛料貿易
15世紀ヨーロッパで需要が多かった商品は香辛料である。スパイスは長い冬の間の単調な食事に風味を添えるうえ当時の肉の保存法が限られていたこの時代では格好の肉の防腐剤として大切なものであった。また香料は健胃薬や種々の感染症の特効薬として貴重な医薬品でもあった。胡椒(ペッパー)、丁子(クローブ)、肉桂(シナモン)、肉豆蔲(ナツメグ)、生姜(ジンジャー)、カモミールなど。なかでも丁子が最も高価で販売された。インドネシアのモルッカ諸島が丁子の産地であった。1602年オランダは東インド会社を設立し、丁子の専売制をしき、その栽培をアンボイナ島のみに制限し、他島の生産を厳禁して価格の維持を図り、香料貿易で高利を得ていた。これに対してフランスは丁子の生木を持ち出し、モーリシャスを経て、ケニア・西インド諸島で栽培した。イギリスは1786年マレー半島のペナン島に丁子を栽培することに成功した。これによってオランダの独占はなくなり、価格は下落した。
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香料の世界交易は昔からかなり重要なものだったようだ。
投稿: 根保孝栄・石塚邦男 | 2013年3月22日 (金) 13時32分