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2013年3月 8日 (金)

銀の匙

「読者が選ぶ私の好きな岩波文庫」(2003)という人気投票ランキング。

1 こころ 夏目漱石

2 坊っちゃん 夏目漱石

3 銀の匙 中勘助

4 吾輩は猫である 夏目漱石

5 君たちはどう生きるか 吉野源三郎

   中勘助の「銀の匙」は宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」(18位)よりも、太宰治の「人間失格」(21位)よりも読者の人気がある。「銀の匙」は少年時代の追憶である。

  夏は虫屋の店に気をそそられる。扇、船、水鳥などの形をした虫籠に緋色の総をさげてりんりんれんれん松虫や鈴虫を鳴かせている。きりぎりすは戸をひくように、轡虫はかさこそとなく。

   まるで小説というよりも清少納言の「枕草子」のような、思い出が順ぐりに語られる。灘中学校・高等学校の国語教師、橋本武がこの中勘助の「銀の匙」を3年かけてじっくり読ませるという授業をして、実績をあげたという。橋本は「この作品は、夏目漱石も絶賛するほどの美しい散文でつづられていて、日本語の勉強にはもってこいです。内容も、等身大の男子の成長が描かれていて、生徒も追体験しやすい。江戸下町の風俗や、日本古来の風習などが散りばめられていて、知識を広げる余地がいくらでもあります。また、新聞小説だったので、1章の分量が授業で扱いやすい長さでした。文学作品として優れたものはたくさんありますが、たとえば漱石の小説のように物語性の高いものは、筋書きにとらわれて脱線しずらいのです。教材には「銀の匙」しか考えられませんでした」と。

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