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2013年3月 7日 (木)

ドイツの戦時色はピンクカラー

Img_1494464_51475074_0    NHK大河ドラマ「八重の桜」は幕末のジャンヌ・ダルク新島八重がヒロイン。震災後の日本の危機感を象徴するような物語である。近衛内閣当時のように、国民はひとしく心をあわせ聖戦完遂に邁進しよう、国民精神総動員、男も女もみんな兵士だ弾丸だ、このような機運がみえる。戦時下というと、女性は口紅もせず、モンペ姿で銃後を守り、歌舞音曲や文化はすべて軟弱とみなされ、国策に反するものと禁止される。ところがところ変われば品変わる。ドイツの戦時下はポルノグラフィーが賞賛されていた!?といえば、チョッと言い過ぎか。

Degenart   ここの1枚の写真がある。ナチスの高官らしき人物が展覧会を視察している。壁に飾られた絵画が裸体画ばかりなのが何とも奇妙である。ナチスは近代美術を道徳的・人種的に堕落したものであるとして、退廃芸術と批判したはずである。なのに裸婦像が認められるのか。

220pxmax_nordau_2    エンタルテーテ・クンスト(堕落した芸術、つまり退廃芸術)。エンタルテーテとは「退廃」を意味するほかに「退化」という意味もある。この言葉は19世紀の精神医学の分野から生まれた専門語で、1857年、ベネディクト・モレルの著書「身体的、知的、精神的退化概論」に見える。ダーウィンの進化論の信奉者であるモレルは、ユートピアを目指して進化する人間の目的を阻害するものとして退化する人間の害悪を説いた。そして1892年に文明批評家のマックス・ノルダク(1849-1923)は「退廃」を出版する。当時の芸術運動の主流は印象派と点描派であったが、見たままの世界があのような風景ならば、正常の視覚とはいえず、文化の全部分を政治の統治下に置き統制すべきである、とノルダクは考えた。シオニズム指導者であるノルダクが、退廃とユダヤ人とを結びつける議論を払拭するために近代芸術こそ退廃であると論じたのであるが、歴史の皮肉で、この書物がナチスの文化統制を肯定するものとなってしまった。

3_2   ナチスの芸術ではたくましい英雄像や純潔を示す処女のヌードが、むしろ賞賛すべものとなった。それは、出生率の増大に役立ち、官能的なペネロペー(貞淑な妻)たちが、勇士の帰還を待っているのだということを暗示している。垢抜けない田舎娘を描いたゼップ・ヒルツ(1906-1967)や「恥毛の巨匠」と揶揄されたアドルフ・ツィーグラー(1892-1959)などが知られている。(Entantete Kunst,Max Nordau,Sepp Hilz,Adolf Ziegler)

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