「世界の歴史」を読もう
世界史を学習している頃、先生から「岩波講座世界の歴史」を全巻読むように言われた。高校時代に中央公論「世界の歴史」、文藝春秋「大世界史」、河出書房「世界の歴史」、社会思想社「世界の歴史」は読んでいたが、岩波講座はとても読めなかった。原著論文スタイルで通読できるようなシロモノではない。やがて講談社「世界の歴史」全25巻、ビジュアル版「世界の歴史」全20巻、中央公論社「世界の歴史」全30巻が1998年から刊行された。これらは全巻通読していない。やはり研究の進化に伴い、アフリカや東南アジア、ラテン・アメリカなどの第三世界に多くの記述がさかれ、複雑化している。講談社版第6巻の「黒い大陸の栄光と悲惨」を執筆している山口昌男さんが先日ご逝去されたが、当時43歳で新進気鋭であった。講談社版は1977年から刊行されたが、オリエント史の杉勇、ギリシャ史の弓削達、西洋中世史の堀米庸三、清代史の増井経夫など故人となり、ご存命の先生は増田義郎さんなど少なくなっている。もし現在このような水準とスタイルで「世界の歴史」を編集するならば、最低でも40巻以上のものとなり、全巻購入できる読者も限られるであろうから出版社も覚悟がいる。だがネットからの情報は断片的なものになるので、やはり本格的なシリーズ物の「世界歴史」の刊行を望みたい。これまで一番読みやすかったのは「大世界史」。大世界史(1969年)の執筆陣は、三笠宮祟仁、村川堅太郎、植村清二、石田幹之助、田中克己、井上光貞、中村元、三橋富治男、堀米庸三、村上正二、護雅夫、別枝達夫、西村貞二、神田信夫、石田一良、成瀬治、柴田三千雄、鳥山成人、尾藤正英、矢田俊隆、中屋健一、尾鍋輝彦、衛藤瀋吉、芳賀徹、林健太郎、鳥海靖、野田宜雄、猪木正道、高坂正堯。
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日本歴史でも地区ごとの歴史の詳細を見ると別の史観がきざす。
そんなもので、中央集権のがわから見る日本、欧米中心の世界史観、また中国からみた世界史、日本から見た世界史、というように視点を変えれば別のものが見えてくるものでしょう。
(ノ∀`) アチャー
投稿: 根保孝栄・石塚邦男 | 2013年3月11日 (月) 07時52分