ゴッホ、蝉の素描
ゴッホは風景画、人物画、花などの静物画など万物を対象として描く。室内の椅子、机にある聖書、果物、魚、靴、老人、女、子供、働く人。しかし身近なものでも描かないものもある。昆虫や犬、猫、ニワトリ、鳥、牛、馬などのペット、家畜を描いていない。おそらく静止してくれないのでモデルとして不向きと考えたのであろう。そのなかで例外は蝉のデッサンが残されている。この素描は病気療養のため南フランスに居たときに描かれたものである。1889年にテオに宛てられた手紙に「ぼくはこの土地の蝉のスケッチを同封した。炎暑のさなかに聞く蝉の歌は、故郷の百姓家炉辺のコオロギと同じように、ぼくの心を惹きつける。弟よ、ささやかな感動がぼくらの人生の指揮になり、知らず知らずぼくらがそれに従っていることを忘れずにおこう」(宇佐美英治訳)
« ゴッホの絵を買った女性 | トップページ | ゴッホをめぐる3つの謎 »
「ゴッホ」カテゴリの記事
- 日本で観れるゴッホの作品(2019.02.04)
- 印象派と鉄道(2014.12.18)
- 「炎の画家」でないゴッホ像(2014.03.06)
- フィンセント・ファン・ゴッホ その名前の足跡(2013.11.09)
- ゴッホ2題(2013.09.10)
コメント