ガンディーの鉄道嫌い
非暴力・不服従によりインド独立運動を指導したマハトマ・ガンジーは、「鉄道」が大嫌いだった。それは鉄道がイギリスのインド支配の重要な「要」だったからである。このように人はさまざまな理由から嫌いなものが一つくらいあるはずだ。トルコのケマル・アタテュルクは飛行機が嫌いで生涯一度も乗ったことがなかった。ネコが嫌いなナポレオン。子猫を見ただけでも冷や汗をかくほどだった。作曲家の中田喜直はタバコが嫌いだった。嫌煙権運動にも積極的だった。江川卓は飛行機が嫌い。久米島キャンプへ飛行機だと30分の距離だが、フェリーで約4時間かけて行くそうだ。石原慎太郎はなぜかパンダが嫌いだ。「パンダなんかいなくてもいい」と発言。伊丹十三は高校野球が嫌い。「私は高校野球というのが実に吐き気がするほど嫌いです。それは高校の野球選手たちの顔つきがあまりにも愚かしいためで、いやあ、あいう生徒がどのクラスにも必ずいるんだよね」と書いている(「女たちよ!」)。
伊丹よりもっと意外なのは谷崎潤一郎の文楽、義太夫嫌いである。谷崎は文楽に心酔して「蓼喰う虫」を発表しながら、戦後は「義太夫を聴くと軍閥の野蛮性を思ひ出し、あの当時の国民全体の馬鹿さ加減を思ひ出して、一層厭な気がする」文楽の脚本の筋のあくどさを否定して、こういう痴呆の芸術を子供に見せても「恐らくはただグロテスクなものを感じるだけで、そこにある奇形的な美を理解することは出来ないだろう」と痛烈に批判している(「所謂痴呆の芸術について」昭和23年)。
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