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2013年2月 3日 (日)

シルクロードと聖火

Srencmap

    シルクロード(絹の道)という歴史用語は今日では中学校の教科書にも載っている。シルクロードの名が日本で有名になったのは、1964年の東京オリンピックがきっかけとなったといえば、ちょっと言い過ぎだろうか。理由は聖火がギリシアからシルクロードを通って、日本にやってきたからだ。

    もちろんシルクロードがリヒトホーフェンやアルバート・ヘルマンが発表してから数十年が過ぎ、日本の東洋史学者もユーラシア大陸横断の交通路として、「絹の道(シルクロード)」という用語を認識していたであろう。しかしそれがすぐに一般に知られるということではない。戦前の鳥山喜一「東洋史観」、橋本増吉「東洋古代史」には「シルクロード」の語は見えない。書名に「シルクロード」が使われるのは、次の本である。

シルク・ロードを行く イラン・アフガニスタン探検 平野一郎 朋文堂 1960
シルクロード 長澤和俊 校倉書房 1962
シルクロード 林良一 美術出版社 1962
シルクロード 角川新書 深田久弥 角川書店 1962

   おそらく井上靖の小説「敦煌」の影響で出版社は、魅力ある「シルクロード」を書名に冠したのであろう。論文でタイトルに「シルクロード」と冠するのは、

シルクロード 野溝七生子 東洋大学紀要10  1957
シルクロードの地理学的諸問題1・2 地学雑誌71(5)(6)  1962

    やはり井上靖の小説で知られるようになった西域物語のブームと東京オリンピックの聖火コースで、シルクロードが日本人に身近に感じるようになったといって間違いではないのではあるまいか。( keyword;Silk Road、Ferdinand Richthofen、Albert Herrmann ) 

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コメント

シルクロードは井上靖の小説と平山郁夫のシリーズ絵画によってであった。

旅行ブームもありましたね。
あまり言いたくないのですが、中国西域の少数民族は中華の漢民族に虐げられている現実があります。許せないことです。

一首献上。

 西域の民ら貧しく虐げらる漢民族の極まる横暴

        石塚邦男

NHKの石坂浩二のナレーション、喜多郎の音楽が子供心にも染みました。確か楼蘭の子供の墓の時でした。
それまでは絹の道と言っていましたが、シルクロードと横文字で言うようになりました。

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