アレクサンドロス大王と始皇帝
アレクサンドロス大王は紀元前4世紀の人で、始皇帝は前3世紀。2人はおよそ100年ほど異なる時代に生きた英雄である。共通する点がある。それは映画「チャップリンの殺人狂時代」でアンリが処刑まぎわに言う。「一人殺せば悪党だが、数百万人殺せば英雄だ」と。一般に語源は英国国教会牧師ベイルビー・ポーテューズ(1731-1809)とされるが、もともとはアレクサンドロス大王の故事。大王が海賊に「海を荒らすのはどういうつもりか」と問うたとき、海賊はすこしも臆すところなく、「陛下が全世界を荒らすのと同じです。ただ、わたしは小さい舟でするので盗賊とよばれ、陛下は大艦隊でなさるので、皇帝とよばれるだけです」と答えた。これはアウグスティヌスの「神の国」に載っている話なので、おそらくベイルビー牧師はアウグスティヌスの書物から引用したのであろう。アレクサンドロス大王や始皇帝の2人には、あてはまる言葉かもしれない。(文献:「アレクサンドロス 始皇帝」週刊朝日百科世界の歴史13 朝日新聞社 1989)
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アレキサンダー大王は侵略者だ。殺人者だ。
侵略者が偉大ということはない。
ヒットラーもそうだった。
大航海の時代の植民地主義者は侵略者だった。
投稿: 根保孝栄・石塚邦男 | 2013年2月 1日 (金) 22時01分