キツツキ
蕪村の句に「木つつきや漆が原の夕日かげ」がある。江戸時代、キツツキは「木つつき」「啄木鳥」と呼ばれていた。「物類称呼」には「テラツツキ、また、ケラツツキと称す」とある。①和漢三才図会によれば、古名テラツツキは、天王寺が創建された時、この鳥が群来して寺の軒を突いて損壊したことから「寺啄」(テラツツキ)の名がでたという。②この鳥の中国名「啄木鳥」の「啄木」を訓読して、「キツツキ」という方が、テラツツキより正式だという意識が働いて、キツツキが一般化した。③昔、寺の山門をつつく姿がよく見られたため「テラツツキと呼ばれたのが訛って「ケラツツキ」となった、など諸説ある。
なぜキツツキは木をつつくのか?巣を作るために木の幹をつついて、穴を開けている。しかしそれ以外の目的でも木をつつくことがある。異性を呼び寄せるラブコールでもある。さらに嘴で木の幹をつつきながら、木を上る。幹に隠れている虫を探すためである。(参考:榮川省造「異説鳥名抄」)
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