ベルニーニの「ダビデ像」
旧約聖書に書かれた巨人ゴリアテを一瞬に打ち殺したダビデ王の若き姿を造形化することはドナテロ(制作年1440年頃)、ヴェロッキオ(制作年不明1470年代初頭)などが行っていたが、ルネサンス最盛期、フィレンツェ市はミケランジェロにダビデ制作を依頼した。こうしてミケランジェロは1501年から1504年まで、4年の歳月を費やしてダビデ像の傑作を完成した。美術史ではミケランジェロのダビデ像も重要であるが、ベルニーニ(1598-1680)の「投石器を持つダビデ」もバロック様式の典型として注目されるべき作品である。以下、2つのダビデのデータを比較する。
ミケランジェロ ベルリーニ
所蔵 アカデミア美術館 ボルゲーゼ美術館
フィレンツェ ローマ
制作期間 1501-1504 1623-1624
高さ 4.1m 1.7m
ミケランジェロのダビデは、戦いに行く前の緊張した表情であり、ベルリーニのダビデはまさしく戦いの最中のアクションを表現している。静と動、内面性を重視したミケランジェロに対し、躍動感を表わしたベルリーニの作品である。
ジャン・ロレンツォ・ベルリーニ(1598-1680)はナポリに生まれたが、7歳のときローマに来て、ついに一生をローマで過ごした。8人の教皇に仕え、ローマをバロック風の都市につくりかえたといわれる。代表作に「プルートとプロセルピナ」「アポロンとダフネ」がある。
(Micelangelo,Gian Lorenzo Bernini,David)
« 結婚と離婚で揺れる30代カップルの物語 | トップページ | 近代文学史を彩る女たち »
「文化・芸術」カテゴリの記事
- 国立西洋美術館開館(1959年)(2024.06.10)
- 画家土佐光則没す(1638年)(2023.01.16)
- 現代彫刻(2020.08.04)
- カナの婚礼(2019.11.24)
- ラ・ボエーム(2018.10.15)
高校生のときダビデ像を写真で見て、自分の一物と比べて見劣りしないなと安心したことがある(*^-^)
投稿: 根保孝栄・石塚邦男 | 2013年2月16日 (土) 14時24分