ローマ法王ケレスティヌス5世の退位とダンテ
第265代ローマ法王べネディクト16世が高齢を理由に今月で退位すると表明した。法王は終身制が原則で、存命中に退位したのは過去、第4代クレメンテ1世、第18代ポンツィアーノ、ベネディクト9世、第192代ケレスティヌス5世、第205代グレゴリウス12世の5人しかいない。グレゴリウス12世(1406-1415)は1414年のコンスタンツ公会議で廃位が下されたもので、自らの意思で退位するのはケレスティヌス5世(在位1294-1294)だけなので、ベネデイクト16世の決断は700年ぶりの決断といえる。(ケレスティヌスはチェレスティーノCoelestinusと表記されることもある)。
ケレスティヌス5世は1294年12月13日、「法王職は高齢の私には重過ぎる」と法王位を放棄したが、フィレンツェの詩人ダンテ(1265-1321)などは「法王にふさわしくない卑劣な行為」と非難している。今回のケレンティヌス5世の退位は各国の首脳は法王に対し労いの言葉を送っている。次の法王は80歳未満の枢機卿らが投票して選ばれ、3月末には新たなる法王が誕生する。(CelestineⅤ,Gregorius,Dante)
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