不空羂索観音像が2年ぶり「わが家」へ
奈良東大寺法華堂の本尊・不空羂索観音像は蓮華台の修理のため2年ほど境内の東大寺ミュージアムに仮安置されていたが、本日「わが家」に戻った。不空羂索観音像は像高362.1cmの巨像で、8世紀前半につくられた乾漆像。三目八臂の形相は、すこしの破綻もなくまとめられ、天平彫刻の理想主義的な傾向を示している。須弥壇中央に安置され、堂内には左から増長天像、広目天像、地蔵菩薩像、帝釈天像、金剛力士像(阿形)、月光菩薩像、不空羂索観音像、日光菩薩像、金剛力士像(吽形)、梵天像、不動明王二童子像、多聞天像、持国天像と12の乾漆諸像を従え、君臨する。
「羂索(けんじゃく)」とは何か。「羂」とは網、「索」とは魚の釣り糸のことで、網を張って鳥をとらえ、糸を垂れて魚を釣るように、人々を救済する。つまり不空羂索観音の功徳は、一切の業障をのぞき、とくに羂索をもって衆生を救済して空しからざらしめるところにある。
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