無料ブログはココログ

« コウゾ | トップページ | 風邪の日 »

2013年1月 9日 (水)

みねんげさんの夜

Photo_2

    出雲の国は古代日本の政治的宗教的一中心地であった。旧暦10月は全国の神々が、出雲大社に集まるので、この月は諸国は「神無月」であったが、出雲は「神在月」であるという伝承は、よく知られている。出雲大社では特別な行事もいろいろあるが、そのなかでも神幸祭(しんこうさい)が毎年8月14日の晩に行われる。古伝の神秘的な神事のひとつで「身逃げの神事」とも呼ばれる。装束姿の神官が青竹の杖を持ち、左手には苞、火縄を持ち、神社を巡る。神事の途中に人に会えば穢れてしまったとして本殿に引き返して、神事をやりなおす。そのため、この夜は氏子はすべて謹慎して門戸を閉じて、外出しない習慣になっている。もし神さまの行列に出会うようなことがあると、たちどころに死ぬと伝えられている。

   ところが、ある男が「なあに、そげなことがあるもんか」といって、わざと家を出て、道端の並木の陰で待っていた。するとやがて、高張ちょうちんを先頭に、赤竹の杖と真菰の苞と、火縄筒とを持ち、お供をしたがえた神さまの一行がやってきた。男はさすがに気味悪くなって、じっと背をちぢめ、見ていたが、とうとうその姿は神さまに見つかってしまった。「あれはなんだ」とお供の者に聞かれた。お供の者は、はっとしたが、とっさに機転をきかして、「あれは犬です」と答えた。神さまは、「そうか」と言ったが、そのとたん男は本当の犬になってしまった。

« コウゾ | トップページ | 風邪の日 »

「昔話・民話」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« コウゾ | トップページ | 風邪の日 »

最近のトラックバック

2017年11月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30