西郷どんとキャサリン妃
英国キャサリン妃の肖像画が公開されたが、「老けてみえる」「表情が険しい」「活き活きしていない」などの批判が噴出している。絵は画家ポール・エムズリーが数ヶ月かけて制作したもの。写真ではないかと見間違えるほど写実的なのだが、どうも本人と印象が違う。本物のキャサリン妃はもっとチャーミングな女性である。ある評論家は「長年、いろいろな肖像画を見てきたが、もつとも退屈でありふれた出来のひとつ。街の写真屋の窓に飾られてある写真みたいである」と散々な評判である。肖像画は難しい。
眉毛が太くギョロッとした目で知られる西郷隆盛。実は西郷隆盛は大の写真嫌いで生前一枚も写真を残していない。イタリアの版画家エドアルド・キヨッソーネが明治政府の依頼で制作した西郷隆盛の肖像画は、西郷の親戚の写真を参考にしたもの。キヨッソーネは西郷本人と一度も面識がなかったので、似ているとは思えない。西郷本人を知る関係者の話でも「まったく似ていない」「なんとなく似ているが、どうも印象が違う」という微妙な出来栄えらしい。だが今日ではほとんどの日本人が西郷どんといえばキヨッソーネの西郷の肖像画をイメージするから面白いものである。
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