剛力彩芽・篠川栞子・西川清子
亡き父の跡を継いでビブリア古書堂の店主となった篠川栞子(しおりこ)は、内向的な性格で人の目を見て話すことができない。だが古書に関する知識は膨大で、本について話しだすと止まらない。ある日、五浦大輔が店を訪れ、祖母が持っていた本を売りたいという。夏目漱石のサインが入った本から、栞子の推理が始まる。献呈署名、大輔→代助、祖母の不倫。着想は面白い。原作は三上延の人気小説「ビブリア古書堂の事件手帖」である。剛力彩芽というキャスティングにはイメージが異なるという意見も噴出した。原作には「髪の毛が長く、眼鏡で、巨乳」とある。ショートで清楚な剛力栞子もいい感じだ。陽光を浴びながら本に囲まれる佇まいが神秘的で美しい。
ドラマ終盤近くセドリ屋の志田が「小山清の落穂拾いが盗まれた」と叫ぶ。小山清(右画像1911-1965)は一般には有名ではないかもしれないが、太宰治の弟子で不遇の小説家である。心あたたまる作風から近年評価は高い。彼の代表作「落穂拾い」(1952)は緑陰書房という古本屋の娘を描いている。栞子の原型は西川清子(「落穂拾い」のモデルといわれる)ではないだろうか。
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