真理の友教会集団自決事件
昭和61年11月1日の早朝、和歌山市毛見の浜の宮海岸を散歩中の老人が黒い煙が出ているのを発見した。傍らに寄ってみると、異臭をあげて黒焦げになっている人間の遺体だった。遺体は7人で、すべて女性である。各自遺書がしたためられており、真理の友教会の信者による集団自決であった。事件の前日、教祖である宮本清治(享年62歳)が肝硬変のため死亡したため、女性信者7人が海岸で灯油をかぶって後追い自殺を図ったものと思われる。教祖の宮本清治は元国鉄職員で、昭和51年頃に紀三井寺の観音像の前で座禅して悟りをひらき「真理(みち)の友教会」を創設したという。しかしその教義はキリスト教に近く、宗教法人登録の申請には、主神をエホバとしている。宮本宅では「神の花嫁」と呼ばれる女性信者たちと8人による集団生活を営んでいた。新興宗教にありがちな付近住民とのトラブルもなく、教団はいたって平穏であった。事件後、教祖を失った真理の友教会は自然消滅した。
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