難読地名「一青」
石川県中能登町一青。字「一青」を「ひとと」と読める人は、近頃はけっこう多いだろう。「一青窈」(ひととよう)という珍しい名前の歌手がいるからだ。お父さんが台湾人で、お母さんが日本人。お母さんはこの地方の出身者で、地名を姓にしていたと推定される。「しとと」の語源には2説ある。吉田茂樹は「しと(湿)と(処)」であり、低湿地であったからと説く(日本地名大事典)。筒井功は「シトトというスズメ目ホオジロ科の鳥が語源である」(日本の地名)としている。中能登町一青の南隣には「黒氏」(くろじ)の地名があり、ホオジロ科クロジにもとづく地名と考えられる。中能登町の旧地名は鹿島郡鳥屋町であることから「一青」は鳥名「シトト」に由来するものだろう。
「地理」カテゴリの記事
- アンティポディーズ諸島(2022.08.13)
- 猛暑と地球温暖化(2022.06.28)
- 帝国書院の「世界の諸地域NOW2022」(2022.04.10)
- 三角州の分類(2022.04.09)
- 中国張家口(2022.02.16)
コメント