愛のよろこび
ハン・スーインがスイス・ローザンヌの自宅で死去した。享年95歳という。 テレビで秋川雅史が歌う「慕情」を聴いて、ふとキリスト教と関係があるのかと感じた。これまで何百回となく聞いたメロディーなのに一度もそんなことは思わなかった。日本語歌詞がテロップで流れる。
4月のバラが早春になによりもふさわしいように、恋とは自然の恵み。生命の生き甲斐の一つの理由。黄金の冠は1人の男を、いともたやすく1人の王様へと変える
「黄金の冠」「王様にする」というフレーズは意味不明であろう。作詞はポール・フランシス・ウェブスターだが、原詩は「A Many-splendored Thig」というフランシス・トムスン(1859-1907)の詩「神の御国」からとっている。中国人とイギリス人の混血である女医ハン・スーイン(1917-2012)の自伝的小説「多くの輝きをもつもの」が原作だが、歌劇「蝶々夫人」にも一脈通じる、美しい悲しい恋物語。映画主題曲でこんなにポピュラーな曲もめずらしいが、愛のすばらしさ、喜びが最も素直に表現されている。人間のすばらしいところの一つは、愛する能力があることです。愛の喜びの賛歌でもある。
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