都市生活のリスク
近年、山間部の豪雨による被害は毎年のように起きている。その原因の一つに都市への人口集中と過疎化によって地域社会の生活そのものの維持が困難になっているところがある。これまで山間部の山林や水田が、降った雨を受けとめて雨水を貯える役割をはたしてきた。だが山間部から都市へ人口が流入し、今まで維持管理されてきた山林や水田が放棄されて、治山や治水の機能も失われてしまった。こうしたときに集中豪雨に襲われると、雨は直接山をけずり、そのまま流れ下って土砂くずれを起こしたり、下流の河川で洪水を引き起こすことになる。都市への人口集中はますます加速しているが、都市生活は人間にとってそれほど理想的だろうか。ある研究によると、「都市で生活する人は小さな町で暮らす人と比べてストレスの影響を強く受けるようだ」と、ポーランドの雑誌「プシェクルイ」は伝えている。「都市で人々は過剰な刺激にさらされている」と心理療法士ミエチスワフ・ヤスクルスキは言う。「都市生活者は農村部の人と比べて、不安発作を発症するリスクは21%高く、気分障害のリスクは39%高い」という。では都市で暮らす人はどうすればいいのか。「自分にはどうにもできない事柄に腹を立てない」、「終業後は仕事のことは忘れる」、「散歩をする」、「心配しないで休暇を取る」といった事柄をこの雑誌は勧めている。
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