漢の兵制
古代中国の諸制度の中で、最も不明確であるのが、兵役制度である。とくに、漢代では、のちの時代とは違い兵役と力役(徭役)とが完全に分離していないのが特徴である。漢の兵制は、秦の始皇帝の影響から、漢初から徴兵制を採用していた。その在役年限は23歳(景帝2年までは20歳)から56歳までの壮年男子は、2度にわたって兵役に服することを課せられていた。兵役の内容は、そのうち1年は京師(首都)で衛尉指揮下の南軍の兵士(衛士)となり宮城守護につく、所属の郡国において警備兵として1年間勤務する、毎年1回の大査閲(都試)を受ける、といったところであった。正卒としての期間は30年以上に及ぶが、戦時下は別として、衛士が1年、地方兵が1年のあわせて2年が実質最低就役期間であった。(参考文献:「アジアの歴史と文化 1」冨谷至執筆 同朋舎出版)
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