なぜ関羽信仰が盛んなのか
中国人に代表的な神を一人挙げてくれというと迷うことなく関羽(関聖帝君)と答えるという。関羽は蜀漢劉備に仕えていた武将で、悲劇的な死を遂げるが、後世の人間より神格化されて47人目の神となった。清代には県に必ず孔子を祭る文廟と、関帝を祭る武廟を建てさせた。孔子廟はのちに多数破壊されたが、関帝廟は単独で多く各地に残る結果となった。そろばんを発明したのは関羽と信ぜられ、華僑によって商売の神となり、世界中の中華街などに祭られている。道教・仏教・儒教を超えて信仰されているのが関羽である。このように孔子と対比される関羽だが、武神としてだけでなく、学問の神、文神としても祀られている。儒家の間では、古くより「山東の一人「春秋」を作り、山西の一人「春秋」を読む」という語が伝えられている。「春秋」を作った山東の一人とは孔子を指し、「春秋」を読んだ一人とは、関羽を指したところから、関羽は五文昌(五人の学問の神)のひとりに数えられている。
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