陸と海は同じ広さという説
小学生に「陸と海はどちらが広い」と聞くと、「陸と海はほぼ3:7の割合で海が広い」と答えるだろう。だがいまから500年頃まえの科学者たちは、陸と海は同じ広さと考えていたらしい。歴史に記録されていることからみると、われわれの祖先は地球を実際よりずっと小さいものと考えていたようだ。地球がこれほど大きいものだと認識しはじめたのは、14世紀から15世紀になってからである。そのころになって、地球が球体だという大昔のいくつかの理論がふたたび登場してきた。それはクリストファー・コロンブスによる西半球の発見をかわきりに、1519年から1522年にわたるフェルジナンド・マゼランの世界周航という画期的偉業によって、最高潮に達した。それでもなお、世界地図をつくったジェラルダス・メルカトール(1512-1594)は、地球は陸と海とに等分にわかれていて、南半球には北半球のヨーロッパ、アジア、北アフリカなどの陸地に見合う陸地がなければならないと信じていた。地球の表面に海が多い事実は、オランダの航海者アベル・タスマン(1603-1659)と、太平洋の探検者として有名なイギリスのジェームス・クック(1728-1779)船長の航海によって、はじめて知られるようになった。
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