福澤諭吉心訓七則
福澤諭吉(1835-1901)の「心訓七則」という7ヵ条の教えが、世の中によく知られているが、実は偽作とされている。最後にある「世の中で一番悲しい事はうそをつく事です」というのはジョークであろうか。「徳川家康公遺訓」(人の一生は重荷を負うて遠き道を行くがごとし、急ぐべからず)なども偽作と見るのが通説である。「少年老い易く学成り難し」で知られる「偶成詩」も朱熹(1342-1406)ではなく、五山の僧侶、観中中諦(1342-1406)の作であるらしい。100年以上も日本人は朱熹の漢詩と信じて暗誦してきたのである。ドイツの宰相ビスマルクが言ったとされる「賢者は歴史から学び、愚者は自分(経験)から学ぶ」もビジネスマン向きの研修などに引用されるが偽作の疑いがある。寺田寅彦の「天災は忘れた頃にやってくる」も典拠不明の名言である。
« ファルタック岬とソコトラ群島 | トップページ | マリ・アントワネットの娘 »
コメント