ねずみ
左甚五郎は奥州の旅に出て仙台城下に入り、鼠屋というみすぼらしい小さな宿に泊まった。向いには仙台一の大宿、虎屋がある。店主によれば、以前は虎屋の主だったが、番頭に騙されて乗取られたという。甚五郎は木片で鼠を彫って置いていった。名人甚五郎の鼠が動くといのが評判になり、鼠屋には連日客が大入りで、増築をし、奉公人も増えて来た。一方、向かいの虎屋は寂れるばかりで、一計を案じた主人が飯田丹下に虎を彫らせて、鼠を見下ろす2階の手摺りに置いたところ、鼠が動かなくなってしまった。知らせを受けた甚五郎が駆けつけると、虎の出来はたいしたことはないと思った。そこで動かなくなった鼠にあの虎がそれほどに怖いのかと尋ねたところ「あれは虎だったんですか、猫だと思った」
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