パーカー牧師とタルボット神父
有名な「人民の、人民による、人民のための政治」という言葉はリンカン大統領の創作ではなく、宗教改革者ジョン・ウィクリフが1384年に出版した聖書の序文に書かれている。それもリンカンはウィクリフの言葉を直接引用したものではなく、牧師セオドア・パーカー(1810-1860)の著書からの孫引きだった。
ピエール・ド・クーベルタン男爵の言葉として一般に伝わる「オリンピックで重要なことは、勝つことではなく、参加することに意義がある」というのも、実はクーベルタンが考え出したのではなく、聖公会のペンシルベニア大主教のエセルバート・タルボット神父(1848-1928)が1908年のロンドンオリンピックの際にアメリカ選手たちに対して贈った言葉である。これに感動した男爵はこの言葉をスピーチに引用したところ、たちまちクーベルタンの言葉として世界に広まってしまった。(Abraham Lincoln,Pierre de Coubertin)
« 書評誌「Guardian of Education」とトリマー夫人 | トップページ | ヤスパースとハイデッガー »
「世界史」カテゴリの記事
- ムハンマドの死後(2024.10.06)
- 世界史探求(2024.05.21)
- ルイ3世(西フランク王)(2024.04.10)
- 唐賽児の乱(2024.02.28)
- ハーグ密使事件(1907年)(2024.02.10)
« 書評誌「Guardian of Education」とトリマー夫人 | トップページ | ヤスパースとハイデッガー »
コメント